April 01, 2011

大谷友介/みなさまへ。

大谷友介です。

みなさん、いかがお過しでしょうか?

今まで、何度となく、この言葉を書いたり発したりしてきました。
枕詞として、冒頭の挨拶としてまずはこの一言からと思って使ってきましたが、今回ほど本来の意味として、また重みのある言葉として使った記憶はありません。
そういう意味では今までは社交辞令として使っていたのかもしれません。
これからはこの言葉、念頭の「いわゆる」挨拶ではなく、大事な言葉として丁寧に使っていきたいと思っています。

みなさん、いかがお過しでしょうか?
無事元気にされていますでしょうか。
自分は元気に生活しております。
日本が心配でたまりません。

震災の日、ベルリンはちょうど朝で、寝起きにいつものようにテレビのニュースをつけたところ、突然、濁流に流される家々の映像や、その中で助けを求める人々の映像が、事前の情報が何もない状態で目に飛び込んできました。
世界は広いので、今までニュース番組において各国の災害の映像などは見てきているので、最初今回も自分の知らないどこかで、大変な災害が起きているのだと最初思っていたのですが。
映像内のクレジットにJAPANの文字を見つけた瞬間、立ちすくみ声を上げることも出来ず、また正直何が起きているのか把握出来ず、しばらくただただ呆然とその映像を見ている自分がいました。
その後すぐに我に返り、ドイツのチャンネル含め、CNNやBBCなど世界各国のニュースチャンネルを見たところ、全チャンネルが特別速報番組のような状態になっており、この日本の震災ニュースとその映像が流れ続けていました。
当たり前ですが、ベルリンでは揺れを感じることはなかったので、このようにニュースによってのみでしか状況を知ることが出来ず、しばらくこれが自分の生まれ故郷で起きていることだと受け止めることが出来ませんでした。
大変不謹慎かもしれませんが、テレビニュースやネットの情報では、今まで自分が日本にいるときに見ていた世界の災害ニュースと変わらず、情報として知ることが出来るのですが、実際の感覚はまるで伝わって来ず、いったい何が起きているのかを感覚的に受け止めるのには、日本を離れて暮らしている自分にはかなりの時間を要することになりました。
いやまだ、受け止められていないのかもしれません。
日本に住んでいる家族となかなか連絡が取れない、ちょうど今こちらに来ているスタッフが被災地の出身で家族の安否確認が出来ない、などのことで心配し、事実確認をするので精一杯な状況でした。幸いにして連絡も取れ事無きを得たのですが。
そして実際、地震の翌日からは早くも個人や企業などから哀悼の意がネット上などにあがり、自分の出来ることを色々な方が模索されている様子を伺い知ることが出来ました。
しかし正直その時点で、自分はまだ感覚的に心と体で受け止めることが出来ていなかったので、つい最近まで、報道のなされ方や、ツイッターなどネット上でのやりとりに違和感を覚え、翻弄されている自分がいたのも事実です。本質の伝わらない、不安だけを煽るようなニュースが蔓延し、その共有を強要されているような感覚で非常に苦しい気持ちにもなりました。
こちらあくまで一個人としての感覚なのでもしも不快な思いをされた方がいたらごめんなさい。謝ります。

また当日はレコーディングの日でした。翌日も翌々日も。
ちょうど録音作業的にも重要な内容の録音のタイミングでした。
このさなか、どのような気持ちで望めば良いのだという感情も当然ありましたが、録音作業に入るにつれ、なぜか今まで以上に集中することが出来、その前日までのレコーディング以上に密度の濃い、研ぎすまされた制作を進めることが出来ています。

自分はいま、この大きな時間(とき)の流れの中で生きています。
これからどれくらいの人生かはわかりませんが、大きな時間の中では非常に短い時間です。
さらに、世界中に暮らしている何十億分の一の存在です。
そんな小さな存在の自分のやることは本当に小さなことかもしれません。
しかし、自分にとって大切なこと。その真ん中に音楽がある。奏でること。無から有を作る自分の表現。それが、つまり自分の音楽。
自身に偽る事無く、最大の形で、最高の創造をすることが、自分の全てなのだと。それを伝えたい。いまそう強く思っています。
このタイミングに録音しているという事実(震災前から始まり震災後にかけて行っていること)は、自分を見つめ直し、また進んでゆくために、重要な出来事なのだと思います。何かの啓示かもしれませんね。
変化することはこわいことではありません。
留まるのではなくひらいてゆく。
ひたすらにひらいて、その先を見に行く。
みんなで見に行く。

さらに、自分の関わっていることにも変化が起きています。
3月25日に予定していた在ベルリン日本国大使館でのライブが延期になったり、新作のリリースがやや延期になったり。楽しみにされていた方に謝らなければなりません。
そして今後も様々な形で影響が、いや変化が起きていくのでしょう。しかし、これらは事実としてきちんと受け止めていくつもりです。
このような状況の中で東京で動いてくださっている制作スタッフのみなさん、いまベルリンで共に活動しているスタッフと制作チーム、協力していただいてるみなさんにも大変感謝しています。

あえて、「がんばろう」とか状況を憂う内容は記しませんでした。
すでにみなさんの心の中にあるはずなので。
そして本当の意味で、みなさんとつながっていくために。

みなさん、これからもどうぞよろしくお願いします。


追伸:
レコーディング中のためブログの更新がひと月以上も滞ってしまい申し訳ありませんでした。
こちらを楽しみにしてくださっているみなさんや、関係各位にご迷惑をおかけしてしまいました。元々筆まめな方ではないので、ブログを書くのにも非常に時間がかかってしまう方なのですが、ここひと月ほどはレコーディングでこもりっきりの状況もありまったくブログの更新が出来ませんでした。 って完全にいいわけですね、これ 笑。
レコーディングが落ち着き、ようやく身の回りのこと、日常のこと、自分自身の興味のあること、をしっかり体で感じる時間がやってきましたので、自分なりには、「巻き気味」ぐらいの気分でこちらの更新を再び行いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

大谷友介

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2011 04 01 [住まい・インテリア, 日記・コラム・つぶやき, 芸能・アイドル] | 固定リンク